BLOG・COLUMNブログ・コラム・お知らせ

注文住宅の収納計画、失敗しないコツとは?

住宅の間取りプランを考える際、皆さんはどのようなところから考えを巡らせるでしょうか。「リビングは吹き抜け、洗濯動線は優先したい、2階にトイレは欲しい・・・」など主要な部屋を思い浮かべる方が多いかもしれません。「限られた面積の中に家族の要望を詰め込むのに一所懸命で、収納は後回しになっていた」ということも起こりがちです。収納は目立つ要素ではないですが、実際に生活していく中で「暮らしやすさ」へ大きく影響する部分です。
今回は注文住宅の収納計画を行う際に頭へ入れておきたい「考え方のコツ」についてお伝えします。

 

目次

1.使いやすい収納の基本条件3つ
. 1-1.使用場所と収納場所が近い
. 1-2.収納したいものの量に対して収納スペースのボリュームが適切
. 1-3.収納したいもののサイズに「奥行・幅」が合っている
2.まとめ

 

使いやすい収納の基本条件3つ

暮らしやすい収納計画を考えるためには「どういう収納が使いやすいか」を最初に知っておきましょう。
ここでは使いやすい収納の基本条件3つをお伝えします。

 

使用場所と収納場所が近い

収納の理想は「使う場所に使うものがしまってある」ことです。
収納がうまく機能しない状態では「ものの収納場所」と「使う場所」が離れていることがほとんど。例えば「おもちゃで遊ぶのはリビングなのに置き場は子供部屋」「1階のトイレットペーパーが切れたけど、ストックは2階の納戸」など物理的に離れているケース。また「場所が分かりづらいから、とりあえずここに置いておこう」「扉を開けて、引き出しを出して、やっとしまえる」というように、心理的に収納場所が遠く感じてしまうケースもあります。どちらも「片づける(ものを出す)のが面倒」と感じる点が共通しています。

暮らしやすい収納を目指すためには「面倒と感じる前に片付けができる距離感(手間感)」に収まるような収納計画をする必要があります。間取りプランを作り進めるとき、家族の生活動線を頭にイメージしながら「使う場所(経路)の近く」に収納を分散配置することが大切です。

収納したいものの量に対して収納スペースのボリュームが適切

一般的に住宅の収納量は床面積の10%程度が目安と言われています。収納量が不足していればものが溢れ、多すぎれば無駄に物を増やす原因になるばかりか建築費用を増やす原因にもなってしまいます。物を「今どれだけもっているか」を把握したら「今後どれくらい持っておきたいか」を家族で決めておくことをおすすめします。

具体的に量を決めたいのは「服・靴・食器・消耗品のストック量・思い出の品など」。数は元々決まっていて収納スペースだけ用意が必要なもののリストも作っておくと便利です(薬箱・道具箱・掃除用具・季節家電・シーズンオフの布団・備品類など)。

 

○量の上限を決めたいものリストの例
凡例)物品名:上限量(補足メモ)
・服:パパの服はクローゼット幅90㎝に収まる量
・靴:一人1段まで(冠婚葬祭用は最上段にまとめるから別でOK)
・食器:今使っている食器棚に入る分だけ
・トイレットペーパー:1袋分置く(スペース取りたくないからロングタイプ)
・洗剤:徳用○袋分が入るスペース(ネットで箱買いしたいからスペース確保)
・子供の作品:衣装ケース1つ分に収める(入らなくなったら写真をとって手放す)
・災害備蓄:持ち出しバック○個分(非常食は食品庫でローリングストック)

 

「持っておきたい物の量」が決まったら、家族の持ち物量に対して収納スペースのボリュームが足りている状態なのか確認する必要があります(確保できる収納量にあわせて「持てる量」の基準を見直すことも大切です)。

足りているかどうか判断するためには「収納しても良い物の量」を明確にする必要があります。特に家族共用収納に個人のものをしまう玄関収納などは「これはパパが使うエリア」のように個人別でゾーンを分けましょう。「自分のゾーンはここまで」と分かっていれば、そこからでたらダメ(入れすぎ)とすぐ判断することができます。線引きがないといくらでも入れて良い気分になり、その結果入りきらず物が溢れる原因になってしまいます。家族全員が把握するために収納場所に名前のラベリングを行ってしまうのも一つの手です。

 

収納したいもののサイズに「奥行・幅」が合っている

「幅・奥行・高さ」が適切かどうかは、収納の使い勝手に大きく影響します。狭ければそもそも物が入りませんが、収納したい物に対して空間が広すぎてもデッドスペースが生まれ、かえって使いにくい収納となってしまいます。例えば奥行が深すぎる収納は、必然的に奥にしまった物が見えづらく取り出しづらい状態に。工夫しないと「ものの存在を忘れてしまう」「元の位置に戻すのが面倒になる」など弊害が起きる原因をつくってしまいます。収納する物のサイズを把握し、収納するスペースや棚のサイズを決めていくことが大切です。
収納計画で「持ち物リスト」を作成する際は下記例のように「サイズと数量」を確認しておくとスペース検討がスムーズに進みます。

 

○衣装ケースや収納ボックスのサイズと数量
凡例)ケースの種類(サイズ)×(数)
・クローゼット用収納ケース(幅31.6×奥行41×高さ17.2㎝)×○ケ
・無印良品ファイルボックスA4(約幅10×奥行27.6×高さ31.8㎝)×○ケ

○収納ユニット(収納棚)に直接入れるもののサイズと数量
凡例)カテゴリー:物品名(サイズ)×(数)
・各種食器:大皿(○㎝)×○枚
・調理家電:コーヒーメーカー(幅22.0× 奥行24.5×高さ34.5㎝)×1台
・本や書類:文庫本(奥行10.5×高さ14.8㎝)×○冊
・掃除道具:クイックルワイパー(高さ約110㎝)×1ケ

○深型収納(納戸)への格納が必要なもののサイズと数量
凡例)カテゴリー:物品名(サイズ)×(数)
・布団など:冬用掛布団(布団圧縮袋に入れたサイズ○×○㎝)×○枚
・季節家電:扇風機(○×○㎝)×○台
・旅行用品:キャリーケース(縦66×横47×奥行27㎝)×2ケ

 

引っ越し当初使う収納ケースは「なるべく引っ越し前に使っていたものの再利用ができないか」をまず考えていただくことをおすすめします。収納ケースも「物」です。家に持ち込んだら、なかなか処分するタイミングはやってきません。うっかり過剰に用意することを防ぐためにも、まずは「今ある収納用品」で工夫してみて「やっぱり新調した方が効率的」と自分でハッキリと判断できたものから新しい商品を検討しても遅くはないです。収納のお気に入りが見つかるまで「紙袋を折って作った簡易収納ボックス」でしのぐ方法もあります(筆者はカルディの紙袋を収納ボックス替わりにしています)。

 

まとめ

今回は収納計画で失敗しないための基本の考え方3つをお伝えしました。後で何とかしようと思って何とかなることもなくはないですが、間取りプランの計画段階から収納計画を細かくイメージ・検討しておくと、住み始めてからの暮らしやすさがぐっと向上します。この機会に「持ち物の扱い」についてご一考いただくのも良いのではないでしょうか。

次回は生活スタイル別におすすめの収納パターンをご紹介する予定です。「日頃こういう動きをしている方は、こういう収納プランが向いている」というように「生活スタイルに合わせた収納計画」はどんなものがあるか、生活動作別にお伝えしていきます(生活スタイルによって適切な収納場所が変わるため、あえて部屋名での区分けはしないつもりです)。快適な収納計画の一助になれば幸いです。

OGスタッフOG staff

日常の「めんどくさい」を撃退すべく、心と身体が快適に生活できる方法を日々研究中の一級建築士(ハンズワタベOG)。お片付けマニアで「家を整えること」「楽できる方法」を考えるのが大好き。小児喘息の経験から片付けやすく掃除しやすい部屋作りを得意としている。
〈資格〉一級建築士、インテリアコーディネーター、整理収納アドバイザー2級、住宅収納スペシャリスト、ライティングコーディネーター、色彩コーディネーター2級、福祉住環境コーディネーター3級

株式会社ハンズワタベ | HANDS WATABE

ACCESS MAPACCESS MAPアクセス マップ

  • 営業本部(本社):外観

    営業本部(本社)

    • 〒959-1271新潟県燕市蔵関55番地1
    • 新築部 / TEL:0256-62-3899FAX:0256-62-2803
    • リフォーム部 / TEL:0256-62-2810FAX:0256-62-2789
  • LIXILリフォームショップハンズワタベ三条店:外観

    LIXIL
    リフォームショップ
    ハンズワタベ三条店

    • 〒955-0845新潟県三条市西本成寺2丁目13番36号
    • TEL:0256-47-1935
    • FAX:0256-47-1936
  • 寺泊支店:外観

    寺泊支店

    • 〒940-2502新潟県長岡市寺泊花立1110番地
    • TEL:0258-75-3314
    • FAX:0258-75-3315
  • 不動産パークつばめ:外観

    不動産パークつばめ

    • 〒959-1262新潟県燕市水道町3丁目21番21号
    • TEL:0256-46-0991
    • FAX:0256-46-0992
  • Facebook
  • Instagram
top
Copyright© hands-watabe.co.jp All Rights Reserved.